本手描き友禅の話の最近のブログ記事

先月は 色引染 の話を大分長くいたしましたが、今月の 黒引染 は、京友禅にとってはもっと重要な仕事でありますので別にさせていただきました。普通、黒引染というと黒の染料を引けばいいというように思われるでしょうし、現実に近年はそういう仕事が増えているのは確かなのですが、京都の黒引染には他の産地にない独特の染め方が有り、従来から高級の黒留袖は、 三度黒引染 という、その名のとおり3回
挿し友禅 が終わり 蒸し がすみますと、今まで白のままだった生地にいよいよ色をつけるわけですが、その前にもう一度糊置屋さんに戻し、 伏せ糊置 をします。これは色挿しした柄のところにまんべんなく糊を置き、 地染め をしてもそこが染まらないようにするための大事な工程です。  糊の材料には糯米粉に米糠と、湿気を長持ちさせるため食塩を混ぜた物を使います。糸目糊置と違って口金の先が広い

第5回 「蒸し」

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挿友禅 ができると、次に蒸しの工程に移ります。これは生地の上に染料をただ挿しただけでは、染着していないので蒸気を用いて加熱処理をし染着度を高めるのです。こういう専門の業者があり、後で出てくる 水洗 もできるところや蒸しだけの所がありますが今では生産量も激減していますから蒸し屋さんというのもずいぶん廃業しています。  具体的には 蒸枠(むしわく) という木あるいはステンレス製の

第4回 挿友禅(さしゆうぜん)

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挿友禅 工程は全工程の中で、もっとも華やかで、かつ重要な位置を占める工程です。友禅染の絵模様部分に色をつけていくという、いわば命を吹き込む作業といえるでしょう。 挿友禅 は、特に色彩感覚が重視されます。おなじ図柄、模様であっても、そこに挿す色の組み合わせによって、イメージがまったく違ったものとなります。それだけに職人さんに指示する制作者とその職人さんの個性や創造性が重要なポイン

第3回 「糊置(のりおき)」

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糊置 とは簡単に言うと、生地の上に糊を置くことで、 地染め (生地を染めること)から防ぐ(防染"ぼうせん")ことを目的とした技法です。糊が置いてあるところは染まらないわけですからそこに違う色を挿(さ) したりあるいは、波模様のような細い線を白く残すというようなことが出来、優美で繊細な表現が可能となります。この技法が使われるようになってからきものの意匠や作り方は革命的に変わりまし

第2回 下絵

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ところで 先回 から、きものができるまでの工程をものづくりの現場からの視点で書き始めました。疑問の点がありましたら遠慮なくお尋ねください。ただこの工程はあくまで本物の手描き京友禅のもので、機械捺染や、手捺染(いわゆる型染め)はかなり違いますのでご承知おき下さい。  さて、図案が出来、生地(きじ)も決まり、前段階の仕事が終わったらいよいよ最初の一番大事な 下絵 の工程に入ります

第1回 きものができるまで 

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きものが作られるまでのことをしばらく書き続けてみたいと思います。 例えば、私が黒留袖を作る時どうするかと言いますと、まず色々な資料や図案を見て、頭の中で構想を練ります。次に雛形と言いますがきものの形が書いてある紙に、どんなモチーフをどのように配置するかというラフなスケッチをします。そしてそれをもとに下絵職人か図案家と話し合いながら原寸大の草稿(輪郭だけの図案)を最初木炭であたり
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