紋の話の最近のブログ記事

以前にもお書きしていますが、キモノにつける紋の話です。 日本には家紋と言って、各家に紋章がありますが、これは世界でも特筆すべき文化です。 欧州では一部の貴族に紋章があっても、一般人にはそうしたものはありません。 家紋のルーツは、公家が好きなデザインを衣裳や身の周りの装飾品などにつけたことに始まりますが、鎌倉時代くらいから、武士が旗指物に敵味方を区別するためのマークを付けたことが

家紋から家のルーツを探る

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家紋というのは代々伝わっていますが、一族でも違った紋を使っていたり、途中から変わったりもしています。 でもそういうことを探っていくと先祖が見えてくるときがあります。 氏もそうなのですが、特殊な紋や、ある特定の地域にしかないような紋は、それなりに意味があり、それはなぜだろうかと探っていくと、知らなかった先祖のことがおぼろげに見えてきたりします。 以前に畿内にお住まいの方から、自分

もう少し紋の話

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紋のことはずいぶん前にも書いていますので、カテゴリーで紋の話をご参照下さい。 以前にも書いているのですが、いくら書いても、同じように紋のことで戸惑われる方が多いようですので、お分かりにならないことがあれば遠慮なくお尋ねください。 特に当社は創業以来高級な黒留袖を作り続けてきましたので、紋のことに関してはよく存じ上げているつもりです。 最近銀座にも紋の必要としないキモノを売る人が

またまた紋章の話

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昨日店のほうに紋のことでお電話でお尋ねがありました。 本当にキモノに紋を入れるということで、一般の方が何も分からないというのはある意味致仕方ないのですが、各家に家紋があるというのは日本の貴重な伝統文化でもありますし、このことは今後も正しくきちんと次世代に伝えていただきたいと思います。 その意味からもキモノ業界に身を置くものは、このことは特に学習してほしいのです。 キモノの晴と褻

明日から始業です

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京都の大雪も31日だけで、正月3が日は穏やかで暖かく、積もった雪もあっという間にほぼ消えてしまいました。 昨日、今日は箱根駅伝の中継を見たり、高校サッカーや、大学ラグビーなどテレビでスポーツ観戦です。 そして下鴨神社、上賀茂神社の例のごとくお参りに行ってまいりました。 キモノ姿も散見しましたが、雪の影響で、道が悪く少し少なかったかもしれません。 昨日は番組表を見ていると、新春歴

政府の紋章

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最近記者会見などに使う演壇の表側に、その省の名とともに、紋章がついています。 以前は一部のモノだけでしたが、最近は各省に使われるようになりました。 これは以前にも書きましたが、五七の桐という紋章です。 日本では桐紋は女紋としてよく使われます。それはほとんど五三の桐です。 明治になって誰でもがどんな紋を付けてもいい(天皇家の菊紋以外は)ということで、後七の桐への憧れで五三の桐を使

最終回 

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去4回にわたって紋の話を書いてまいりましたが、一応今回を最終回とさせて頂きます。最終回として多くの家紋を取り上げて解説させていただきたいのですが、その数は本当に数え切れないほどあります。一説には1万以上あるといわれていますが、江戸期にほぼ定まった数だけでも600はあるとされています。ですからそれをいちいち解説することは出来ません。詳しくはそのような書物がいくつも出版されています

その4 きものの種類による紋の付け方

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今連載している紋についての話は「美しいキモノ」210号の付録と、日本紋章大図鑑 ( 百年社発行 ) を基に書いておりますが、少しでも皆さんのキモノに対する疑問が解決できればと思っているしだいです。 多くの参考本は出版されていても手にとって本当に勉強している人も少なく、いつも言うように肝心の呉服店でも、うろ覚えの知識で消費者に接するために、この紋章の文化も壊れつつあることは実に

その3 紋の種類 刺繍紋その他

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前回は染め抜き紋の話をいたしましたが、今月はそれ以外の 刺繍紋 、 加賀紋 などについて書いてみたいと思います。 刺繍紋 は染め抜き紋よりは略式になりますが、色無地や訪問着などにつけると、略礼装となります。それだけでなく刺繍加工の色留袖などでも最近は刺繍紋をご注文されることが多くなりました。染め抜き紋と同じ様に、日向紋、中陰紋、陰紋があります。刺繍の色々な技を使って、多くの表

その2 紋の種類

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今回はキモノにつける紋の種類を記してみたいと思います。技法でいうと大きく言うと2種類あります。また図柄で言うと家紋としゃれ紋です。技法では染め抜き紋(我々は通称抜き紋といいます)と刺繍紋(通称縫い紋)です。もっとも正式な紋は抜き紋で、それ以外は略式となります。抜き紋とはその名のとおり、生地をその紋の形に抜染し、紋の上絵屋さんがそのふちを描き、細くて線で抜けなかったところなどを、
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